本日の産経新聞掲載「ひなちゃんの日常」。

それでは、こわーーいお話を一席。。
出来れば照明は消して読んでみてください。。
ある夫婦に長い間子供が出来ませんでしたが、やっと神様から授かることが出来ました。
でも赤ちゃんには手も足もありませんでした。
子どもが3歳を過ぎたある日、「お母さん湖に行きたい…」
お母さんは考えました、この子がいうことはなんでも聞いてあげようと。
そして夫婦そろって車に子どもを乗せ湖までやってきました。
子どもが言います。 「お母さん、ボートに乗りたい」
お母さんはもちろん子供のいう通りボートに乗せてあげました。
ボートは湖の真ん中までやってきました。
すると子どもが言いました。 「お母さん、おしっこがしたい…」
お母さんは手足の無い子どもを抱きかかえると、ボートから少しはみ出した位置で抱きかかえ、おしっこをする子どもを見ながら、ふと考えました。
この子はこのまま大きくなっても不幸のまま…
そんな考えが頭をよぎった瞬間。。。
あっ!
おもわず子どもを落としてしまいました。
手足のない子どもはそのまま湖の奥底へと沈んでゆきました。
泣きじゃくる夫婦。
でも子どもは帰ってきません。。。
そして月日は流れ、また夫婦には子どもが生まれました。
ただ今回も手足が無い子どもです。
それでも夫婦にとっては大切な子どもです。大事に育てました。
そして子供が3歳になったある日、お母さんに言いました。 「お母さん、湖に行きたい」
もちろん愛する子どもの言うことですから夫婦で車を走らせ、湖にやってきました。
子どもが言います。 「お母さん、ボートに乗りたい…」
お母さんの記憶に引っかかるものが出てきました。それでも子どもの言うことは聞いてあげないと…
ボートは湖の真ん中あたりまでやってきました。
子どもが言います。 「お母さん、おしっこがしたい…」
お母さんはひきつった表情で手足の無い子どもを抱えると、ボートからちょっとはずれた場所でおしっこをさせようとしたその瞬間、子どもが言いました。
「今度は落とさないでね」
これはあくまでフィクションです。。